ガロと言えば一般的には "学生街の喫茶店" だが、この CD には入っていない。というのもこの CD はガロの歌謡路線の曲を徹底的に外し、彼らの本来の持ち味のひとつであるソフト・ロック的なナンバーばかり選び抜いた、タイトル通りのコレクションなのである。
だから "君の誕生日" や "一枚の楽譜"
ももちろん選ばれていない。そのため収録曲ではメンバーの中で半数以上の曲を書いていた堀内護の曲はデビッド・クロスビー的なフォーク調のナンバーが多かっため、ポップ・フィーリング溢れた曲を多く書いていた日高富明の曲(ただし初期にいい曲が偏る)の方が多い選曲になった。また村井邦彦のナンバーも多く入ったが、歌謡路線のすぎやまこういちの曲は選ばれていない。日高は名曲 "地球はメリーゴーランド" を始め、 "一人で行くさ" "小さな恋" "恋のゲーム" など、堀内は "涙はいらない" "水色の恋" "この世はサーカス" など、そして村井は "美しすぎて" "公園通り" など、さらに若き山下達郎がコーラス・アレンジを担当しシュガー・ベイブがコーラスで参加した "個人的メッセージ" などが収録された。こういう選曲で聴いてみると、ガロってこんないい曲を歌っていたんだっけと誰でも驚かされるだろう。ガロといって色メガネで見ず、是非この CD を聴いて、シュガー・ベイブや大滝以前に日本のソフト・ロックがあったということを知って欲しいものだ。ただしマスタリングで"美しすぎて" が大野克夫アレンジのアルバムヴァージョンに差し替わっていたのは未だに残念でならない。(佐野)
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