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1996年9月30日月曜日

☆Small Faces : Small Faces(Deram/844634)☆Small Faces:From The Beginning(Deram/844633)

デッカ時代のスモール・フェイセスのアルバム2枚は永遠の名盤だが、何度もリシューされていてそれだけでは記事にする必要はまったくない。
Repertoireの充実したボックスで、もう残された音源はないと思っていたら、今回リイシューされた CD には初 CD 化のボーナス・トラックがなんと5曲ずつも入っていたのだから驚いた。
まずファースト・アルバムには "Shake"  "Come On Children"  "What'cha Gonna Do About It"  "E Too D" のフランス盤の EP ヴァージョン、そして "Own Up Time" 40秒近く長いロング・ヴァージョンが収められた。聴いてびっくり、ミックスが違うとかいうようなものではなく、まったくの別テイクなのだ。 "Shake"  "Come On~"  "What'cha~" はおそらく初期のテイクであり、かなり荒々しくラフな歌と演奏だ。しかしスモール・フェイセスのようなバンドは荒っぽい方が逆にパワーを感じて魅力的であり、特に "What'cha~" はフィード・バックのギター音を引っ張り、ギターのカッティングから歌が始まるという出だしからまったく違う展開で実にカッコ良かった。さらにインストながら最高にグルーヴィな "Own Up Time" はオルガン・ソロなどたっぷり楽しめるし、 "E Too D" はフェイド・アウトしないで終わるロング・ヴァージョンだった。セカンド・アルバムは "My Mind's Eye"  "Hey Girl" のフランス EP ヴァージョン、 "Take This Hurt Off Me"  "Baby Don't You Do It" の別ヴァージョン、そして "What'cha Gonna Do About It" BBC での録音が収められた。 BBC はもちろんオフィシャルでは初登場、他の4曲はファーストのボーナス曲より違いは目立たないが、これも良く聴くとミックス違いではなく歌のアドリブの部分が違うなどの別テイクだった。この両 CD は絶対、買いだ。
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1996年9月10日火曜日

☆Various:「Traces」(東芝EMI/8973)☆Various:「Feelin' Groovy」(WEA/774)☆Various:「Windy」(WEA/775)

ソフト・ロックのコンピレーションが8月から9月にかけて一気に発売された。まずは東芝EMIからは「Traces(東芝EMI/8973)Classics IV "Spooky"  "Stormy"  "Traces" の3大ヒットを始め "Midnight" などのブルージーな名曲6曲を核に、ラヴ・ジェネレイションの3曲やレターメンの3曲、そしてこのコンピにどうしても入れたかったゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズの "My Hearts Symphony"  などの輝くばかりにポップな3曲も収録した。
 レアな音源としてはClassics IV の前身クラシックスのフォー・シーズンズそのものといってもいい "Pollyanna" と、数あるビーチ・ボーイズのカバーの中でも最高クラス、ガレージながらタイトな歌と演奏で突っ走るイクセプションズの "Girl From New York City" が入り、これが目玉。
そしてワーナーからは2枚、「Feelin' Groovy(WEA/774)と「Windy(WEA/775)が同時にリリースされた。
担当の本誌でおなじみの宮治氏の「あくまでも曲の良さ中心で選んだ」という言葉のとおり、有名曲も多いが、その曲のグレードの高さに加え、ほとんど曲間を空けない編集の巧みさで、流れるように CD 1枚が一挙に聴けてしまう。
実に気持ち良いコンピだ。
アソシエイションとハーパース・ビザールを核に構成されているが、この CD で初めてリイシューされたものも多数含まれている。
ホリー・マッケラルの "Bitter Honey" (作曲/ロジャー・ニコルス)、トーケンズのソフト・ロックの名曲 "Portrait Of My Love" など2曲、ディック&ディー・ディーの "Make Up Before We Break Up" (作曲・プロデュース/ゲイリー・ゼクリー)、バーバンク・スタッフの幻のトム・ノースコットのシングル2曲、バリー・マン作のヴォーグスの "She Is Today" 、そしてこのコンピのハイライトの1曲、ボナー=ゴードン作のハーパース・ビザールの "Small Talk" 他アルバム未収録シングル3曲がそれだ。
何しろ初めの選曲の際にリスト・アップしたものが次々と不許可になる中、いい内容のものが収められたと思う。
最後に選んだディノ・デジ&ビリーの "Kitty Doyle" やネオン・フィルハーモニックの "To Be Continued" など、実にしっくり収まっている。
Soft Rock A to Z」と、これらのソフト・ロック・コレクション3枚、みな文を書かせていただいたが、メロディとハーモニー中心のこれらの音楽にもっともっと注目が集まって欲しいものだ。
(佐野)

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