遂に出たか!ともうお求めの方も多いだろう。
このアルバムは当時アメリカでコロンビアからリリース予定があったもののボツにされ(日本のみ発売された)、自己のジャン&ディーン・レーベルより僅かにリリースしただけで、今や何百ドルもするウルトラ・レア盤になっていたが、こうして目出度く復刻された。
ジャン&ディーンといっても、このアルバムはディーン・トーレンスのソロ。66年4月にジャン・ベリーが交通事故で瀕死の重症を負ったため、ディーン単独で、ジョー・オズボーンやラリー・ネクテルといった友人のセッション・ミュージシャンを集めた作ったアルバムである。珍しさだけではなく、内容もなかなか良かった。「雨」をキーワードにしたコンセプト・アルバムで、曲間は雨音や雷鳴でつないだ。ゲイリー・ゼクリーの名曲 "Like A Summer Rain" "Yellow Balloon" を核として、ジャズっぽいアレンジで心地良く仕上がったスタンダードの "Pocket Full Of Rainbow" "When Sunny Gets
Blue" が入ったA面(当時の LP )は素晴らしかったが、B面の "Rain On The Roof" "Cryin' In The Rain" などのカバーは安っぽい出来で褒められたものではない。しかし、海、夏、女の子といったイメージから離れ、サウンド的にもソフトなポップ路線にチャレンジした意欲作で、評価出来る。いつもながら思うことだけど、ディーンの歌がもう少し上手ければねぇ...。(佐野)
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